2021.03.07

やちむんの使い始めは「目止め」で手入れ!手順や使う際の注意点も

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こ‌ん‌に‌ち‌は‌ ‌!うちなー茶屋ぶくぶくが運営するやちむん通販サイト「おきなわマチカンティ」です。

 

本場・沖縄の工房にある民芸品店や街のお土産屋さんだけでなく、インターネットでも色々な「やちむん」を目にすることができる昨今。

 

お気に入りのやちむんに出会えたとしたら、少しでも長く使っていきたいものですよね。

 

沖縄料理や泡盛と一緒にちょっと素敵な食事を楽しもう!と、購入したやちむんを箱から出してそのまま使用しようとした方はちょっと待って下さい。

使い始めのひと手間で、そのやちむんが長持ちする可能性が高まるかもしれません。

 

今回はやちむんを長く使うために知っておきたい「目止め」と、やちむんの取り扱いのポイントについてご紹介します。

目止め

 

やちむんの使い始めは「目止め」で手入れ!

やちむんのような焼き物は、長持ちさせるために「目止め」という作業をしてから使い始めるのがオススメです。

冬にかけてお鍋の時期が来ると土鍋コーナーにマメ知識として紹介されているので、聞いたことがある人は結構いるはず。

 

でも、目止めとはどんな作業で、どうして必要なのでしょうか?

必要のない場合もあるので、お話していきますね。

 

目止めはなぜ必要?

やちむんのような焼き物は陶土という「土」からできています。

陶土は水分を含み柔らかい状態で成型され、高温の窯で焼かれて土の中の石が解けて他の成分と結び付きつつ水分が抜けることで、強度の高い締まった陶器に変わります。

 

ですが、どれだけ高価な器でも、人の目には見えにくいごく小さな穴が開いていたり、ヒビ割れがあります。

 

購入当初はそのまま使用しても問題のない小さな穴やヒビなのですが、年数を重ねることにその穴に食品の油分が沈着し色褪せたりシミの原因に。

ヒビに衝撃が加わることで破損してしまうケースもあります。

 

このような陶器特有の懸念点をデンプン質のある水分で埋め、トラブルが起こりにくくする作業を「目止め」といいます。

 

目止めのできるやちむんと、目止めのいらないやちむんの違い

やちむんは、土からできているというお話でしたが、原料である土の成分によって「陶器」と「磁器」に分けることができます。

 

一般的に「陶器」は有色粘土をベースとした焼き物であり、土と土をつなぐ石はそれほど多くありません。

そのため、強度を出すのにぽってりとした丸い、厚みのあるデザインになりやすいのが特徴です。

高温でじっくり焼くため、使用時の熱にも強いのが魅力でもあります。

 

一方で磁器も粘土は使用していますが、細かい粒子の「珪石(けいせき)」と「長石(ちょうせき)」という石を粉状にしものも原料に含ませており、陶器よりもその含有率が高くなっています。

「珪石」と「長石」は実はガラスの原料でもあり、陶器より隙間ができにくいため、薄く軽量化できるのが特徴です。

 

この、陶器と磁器の違いが「目止め」の要・不要には重要なポイント。

 

原則として、見えない隙間が残る陶器は目止めで補強が必要ですが、隙間がすでに石で埋まっている磁器には目止めは不要です。

ただし陶工によりその含有率は異なりますので、わからなければお店の人に確認してみましょう。

 

やちむんの使い始めにおすすめの「目止め」のやり方

お持ちのやちむんが、目止めが必要なやちむんだ!とわかったら、次の工程で目止めをしましょう。

 

用意するもの

  • やちむん
  • 使いたいやちむんが隠れる大きな鍋
  • お米のとぎ汁(鍋に入れた時にやちむんが隠れるくらい)
    ※なければ、水1Lに対し大さじ1の片栗粉を入れたものでも代用可
  • さらしなどの柔らかく繊維がほどけにくい布

 

手順

①やちむんを布で包みつつ、鍋底や他のやちむんにぶつからないように鍋に入れる

②やちむんが隠れるほどのお米のとぎ汁を入れる

③中火でゆっくり沸騰するまで温度を上げたら弱火にする

④温度が下がらないよう調整をしながら弱火で20分ほど煮る

⑤火を止めてゆっくり冷ます。季節にもよりますが目安は8時間程度

⑥やちむんから熱がなくなったら優しくスポンジで洗って乾かせばOK

 

ポイント

  • お米のとぎ汁が薄いと十分な効果が出ないため、大さじ1の米を足すか片栗粉を補充。
    目安はお米を研ぐときの最初の白濁したとぎ汁位の濃さに。
  • タオル地の布などは熱でやちむんに繊維が付く可能性があるので、さらしや布巾がオススメ。
  • 一気に加熱と冷却をしないこと。
    冷たすぎるとぎ汁や熱いとぎ汁では傷つく可能性があるため、やちむんと同じくらいの温度から徐々に加熱します。

 

ちょっと手間にも見えますが「布で傷つかないようにまく」「デンプン質をゆっくり沸騰させる」「常温で冷ます」「余分なデンプン質を洗って落とす」だけなので、コツさえ掴めば後はカンタンですよ。

 

やちむんの使い方や手入れ方法は?

やちむん手入れ

毎日の食卓に花を添えるやちむん。

目止めを行って後は日々の食事に楽しく取り入れるだけですが、ちょっと気にしておきたい使い方やお手入れ方法があります。

 

電子レンジは基本NG!

近年では粘土と石の配合を変えレンジOKのやちむんも見かけますが、それはレアケース。

一気に食材を加熱する電子レンジでは器の中に隠れた、強度を保つのに必要な水分も蒸発させてしまいます。

 

急な加熱・冷却はNG!

陶器であるやちむんは、1000度以上の高温で熱されるため高温には強いです。

ただし、急な加熱や冷却には弱く、粘土の成分が変性してかけたり割れてしまう可能性も。

料理を盛り付けるときも、料理とやちむんの温度差をなるべく抑えておきましょう。

 

食器洗い乾燥機も基本NG!

食器洗い乾燥機(食洗機)は強い水圧による洗浄や急な乾燥を行うため、やはり粘土の強度維持に必要な水分へ影響を与えます。

つるつるした釉薬が剥げてしまなわないよう、一般的なスポンジで力強くゴシゴシこすらないことが大事です。

優しく洗えば、たいていの汚れは落ちますよ。

 

料理の保管はやちむんで行わない

やちむんはどんなに目止めをしっかりしても、100%の精度で目を埋めることはできません。

特に沖縄料理では、油やお酒などの臭いやシミ移りが残りやすいものも多いのが特徴。

次の日に持ち越す料理は、なるべく専用のタッパーなどに移すのがオススメです。

 

半年に一度は目止めを行う

せっかく行った目止めのデンプン質も、実は日々少しずつ流れていってしまいます。

使用頻度にもよりますが、半年に一度程度、目止めを定期的に行うことでより長持ちします。

 

やちむんは使い始めと日々のメンテナンスで長持ち!

せっかく買ったやちむんを長持ちさせるには、使い始めのひと手間と日々のメンテナンスや使い方が大切なポイントとなります。

 

まずは自分のやちむんが目止めが必要かどうかを確認し、必要だとわかったらしっかり目止めを行いましょう。

 

そして、日々の使い方にも気を付けてほしいポイントもあります。

 

古くは運搬用のカメにも使われていたやちむんは、食器の中では頑丈ではありますが、急加熱や急冷却・外部からの圧力に弱いのも特徴。

ついレンジに入れちゃった、ということのないように注意してくださいね。

 

魅力的なやちむんを手にしたいけどなかなか沖縄には行けない…。

そんなときには、やちむんを購入できる通販サイト「おきなわマチカンティ」はいかがでしょうか!

ぜひ自分だけの、こだわりの逸品を見つけてくださいね♪

 

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